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アガベ・チタノタ(オテロイ)に適した培土とは

アガベ

みなさんは培土(植え付ける培養土(用土)のこと)こだわってますか?
植物の育成方法を調べているとぶちあたるこの壁、少し考察していきましょう。

miyanoki

植物の生育、最適な環境を追求する植物オタク。
植物栽培歴は20年になる今年31歳の1児の父。
将来の夢は息子と一緒にドライガーデンを造る事。

現在仕事、趣味の両方で100株以上のアガベと観葉植物を栽培しながら常に園芸のことを考えています!

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アガベによく使われる培土

アガベの培土を考える際に重要になってくるのが原産地での自生の姿。
その姿を見てみると想像以上に様々な土地で自生しています。

アガベの主な原産地はメキシコで海岸近くから標高2,000m以上の高地に自生しておりその分布はかなりの広範囲に及んでおります。

つまり、アガベに適した培土と一口に言っても実に様々で、それぞれの品種に焦点を当てて考える必要があるようです。

みやのき
みやのき

アガベ自体の分布はメキシコを中心に米国南西部中南米熱帯域に自生していて

かなり幅が広いんですね。

それでは、今回はアガベ・チタノタに焦点を当てて考えてみましょう。

アガベチタノタの自生地とは

さて、ここで専門的な話をしていきます。
アガベ・チタノタが自生している場所は

GREG D. STARR氏のAgave oteroi (Asparagaceae/Agavoideae) a new species from North-central Oaxaca, Mexico (リュウゼツラン•オテロイ(リュウゼツラン科/リュウゼツラン科) メキシコ、オアハカ州北中部産の新種)

という論文を引用しながら考察していきます。

みやのき
みやのき

参考になる情報が多くて必見です!

この論文の中からアガベ・チタノタ及びオテロイの自生地に関してこのように述べています。

原文)The center of distribution for Agave oteroi (Map 1) is along Mexico Federal Highway 135D, and the Rio Hondo and its principal side drainages from east of the Calapa bridge west and south to near the Santa Lucia bridge. Plants grow on the open,

翻訳)オテロイの流通中心地(地図 1) はメキシコ連邦高速道路 135D 沿いにあり、
リオホンドと東側からの主要な側排水路 カラパ橋の西と南からサンタの近くまでのルチア橋。植物は開けた露出した斜面に生育。

Agave oteroi (Asparagaceae/Agavoideae) a new species from North-central Oaxaca, Mexico

と記されております。

ではこの【メキシコ連邦高速道路 135D】はどんなとこやねん!って話ですよね。
少し調べてみましょう。

論文の自生地の情報からGoogleマップで確認

ということで自生地の情報からGoogleマップで確認。

緑がオテロイ、オレンジがチタノタ、黄色がケルチョベイ。
この感じだとオテロイ、チタノタ、ケルチョベイは混在しており、そりゃそれぞれが混ざり合って混血種になるよなぁって感じですよね。

みやのき
みやのき

現在オテロイ、チタノタ、ケルチョベイの境目はかなり曖昧になっています。

そもそも従来チタノタと呼称されていたものを近年別種としてオテロイと認定。

しかしこれだけ三種が近くにあると年々現地での自然交配が進み純血(と呼称していいのか?)としての品種は近い将来無くなると考えています。

そしてGoogleマップで確認した自生地がこちら。
フエブラとオアハカの国境沿いに走る135D沿いにアガベ・チタノタの自生地(コロニー)があるとのこと。

ここか?と思わしきポイントをマーク。
この時点で既に山やん・・・って感想。

ではいよいよお待ちかねのストリートビュー!
青いマークのところへ飛びます。

みやのき
みやのき

絶景やん・・・!

思った以上にここは生い茂ってましたね。
少し視点を変えてみます。

画質がぼやけて見辛いので画像でも確認してみます。
10秒後から見えている場所に、アガベが自生しているのが確認できます!

▽さらに詳細な画像はこちら▽

このようにパッとみた感じ岩盤から生えている事がみて取れます。
そう、アガベ・チタノタはサラサラの砂漠に生えているわけではないんですね。

みやのき
みやのき

現地では断崖絶壁のほぼ90度近い傾斜でも落ちないように根を張って自生しているそうです。

自生地の培土は?

さて、自生している姿は確認できたがその源となる培土はなにからできているのか?
竹田英夫氏による〜メキシコの地形と地質〜のレポートより考えましょう。

そのほとんどが火山岩!

竹田氏のレポートによると、メキシコ〜オアハカ周辺を新期火山地帯と称してそのほとんどが火山岩であると結論づけています。
その火山岩として、古いものは安山岩質であり新しいものは玄武岩質であると記されています。
そこからチタノタ、オテロイの自生地は玄武岩質を中心とした火山岩地質で成り立っており、培土の基盤となるのは玄武岩です。

みやのき
みやのき

火成岩には他に流紋岩安山岩等があります。

火山岩とは?

では、火山岩とはどういうものか一度確認してみます。
まず最初にメキシコのオアハカ周辺は火山地帯であり、その地質は火山岩が主と前述しました。

実際このような山岳地帯にアガベは自生しているわけです。
その山岳の成り立ちは”火成岩”です。
火成岩には2種類あり

  • 火山岩
  • 深成岩

が存在します。

前者の火山岩はマグマが地表で急激に冷え固まった岩石のことを指し
後者の深成岩はマグマが地下でゆっくり冷え固まった岩石のことを指し、地表の話になった場合必然的に火山岩が主軸の話になるわけです。

みやのき
みやのき

どちらもマグマが起因して形成されているんですね。


そして今回の主役は火成岩の中の火山岩。その火山岩の中の”玄武岩”となります。

玄武岩とは?

さて、やっと本題の玄武岩に移ります。
玄武岩とは苦鉄質火山岩の一種とされており、つまり 鉄やマグネシウムを多く含み、シリカは少ないという特徴がある岩石でメキシコの玄武岩は変質して暗緑色や暗赤色になっていることが多く、また,脆くなっているものも多いとされています。

みやのき
みやのき

チタノタ・オテロイの自生地であるメキシコ、特にオアハカ周辺で地質が赤い場所が多いのはこういうわけがあるんですね。

※画像はインドネシアの玄武岩。変質して赤くなっているのがわかる。

結論:アガベに適している培土とは

以上のことを踏まえて結論とすると

アガベには多孔質な水捌けに優れた土、そして鉄やマグネシウム等の微量要素を多く含むアルカリ性培土

が適していると考えられます。

みやのき
みやのき

つまりどういうこと?と思いますとよね。まとめると・・・

つまり軽石が適しており、その中でも特に日向土が特に適していると考えております。

軽石には主に

  • 鹿沼土
  • 日向土
  • 日向砂
  • 富士砂…

と、実は多くあるのですが、なぜ日向土かというと保水性は全くなく保肥性は鹿沼土と同等

みやのき
みやのき

鹿沼土も軽石として優秀だけど酸性寄りでアガベは少し苦手かも。


多孔質の性質で粒も丸い。富士砂も選択肢に入るのですが如何せん形状が鋭利で根を痛めるリスクが多く感じており、柔らかい印象の日向土に個人的には軍牌が上がります。

みやのき
みやのき

富士砂は植え替えの際の根へのダメージ、培土としてのコストも気になります。

その日向土に多少の保肥性を保たせる為に硬質赤玉土とPHをアルカリ性によらせる為にパーライトを少々。
※赤玉土はリンの吸着を強く引き起こす為元肥としてマグァンプK (中粒)を混ぜ込む事を推奨

以上の配合培土がアガベに適した培土であると私は考えています。

みやのき
みやのき

配合量に関してはそれぞれの環境によって増減します。

是非、今回の記事が皆様の園芸ライフのお役に立てたら幸いです。

また、培土に関して後日深掘りするので是非ご覧ください。

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